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TAKUHO photo diary

時代の波に飲まれた画家〜現状維持は衰退のはじまり

ゴッホ自画像

今日は「進化」をテーマに書いてみたいと思います。

進化というと今ならインターネット。

LINEスタンプ、Gmailやメッセンジャー。

 

昔の人は手紙に想いをしたためて、、、
と言いたい所ですが、

その辺は専門外(笑)
なので、

創業80年を迎える写真館の4代目として「写真」について考えてみたい。

職業画家と写真の誕生

写真が発明されたのは1839年。日本では坂本龍馬が活躍した時代です。

新しい技術によって便利な世の中になった反面、時代に取り残され仕事を失った人達もいました。

 

職業画家と呼ばれる人達。

あの時代、画家は芸術家ではなかったんです。

それまで何千年と続いてきた絵画。

 

古くはエジプトのピラミッドの神殿や墓などに確認することができましたが、描かれている壁画は芸術というより政治そのもの。

エジプト神話と時の王様をビジュアルに結びつかせるための手段でした。

 

要するに人を支配するための道具の一つが絵画だった。

エジプト第18王朝 紀元前1370年ごろ 「王の死を嘆く女たち」

エジプトの絵画

1801年にジャック=ルイ・ダビットによって描かれたナポレオン。影響力の強大さを伝える事が絵画の目的だったのです。

ナポレオンの絵画

「こんなにリアルに絵を描けます!」

その頃の絵画は写実的なものが多かったのですが

画家の能力を測る物差しがリアルに描写するスキルだったのです。

写真家の台頭

ところが、テクノロジーの進化によって登場した写真はまさに怪物。

圧倒的な模写のクオリティとスピード。

画家なら早くてもラフスケッチに10分かかるところをカメラマンは1分で緻密な絵を描くことが出来た。

言い換えれば1日に10倍の仕事をこなせるのがカメラマンでした。

結果、

カメラマンは画家から仕事を奪いました。

画家に高いお金を払ってこれまでのような絵を描いて欲しいと思わなくなったのです。

職業画家というマーケットがすごい勢いで失われていったので、殆どの画家は時代とともに沈んでいきました。

一方、一握りの画家は職人から芸術家へと変わっていきます。

写真発明後の1893年に制作されたムンクの「叫び」。

sakebi

 

ピカソが1937年に描いた「泣く女」。

crywoman

画家たちはより「リアル」に描くのではなく、もっと絵画ならではの価値を見出そうと、様々な画風や技法を作り上げたりしました。

絵画は芸術になったのです。

いや、

ならざるを得なかった。

ただ写るだけで・・・

阿部写真館の創業当時の様子
写真の発明から100年後。

僕の家業である阿部写真館は1936年に創業しました。

その頃、お金持ちだけでなく普通の人達も写真を撮って欲しい思う人が増えていました。

需要はまだ増えていた。

写真ってあの時代は「ただ写るだけで」お金をもらえたんです。

 

ついでに供給も足りなかった。

時は大型のカメラに三脚、モノクロのフィルム現像は暗室での自家処理がスタンダード。

カメラマンになるためには写真撮影のスキルだけではなく薬品調合の知識、そして今の価値で数百万円ものカメラが必要だった。

「写す」ことは素人がカンタンに真似出来ないすごい技術。参入障壁が高かったんです。

「昔はよく儲かった。」

おばあちゃんが僕に言っていました。

カメラマンにもやってきた時代の波

ところが、いつまでも良い時代は続きません。

1986年に「写ルンです」が大ヒットして以降、写真は特殊な技術ではなくなりました。

誰でも写せる時代がやってきます。

そして今では誰でも「タダで」写せるようになってしまった(笑)

iPhone

大激震です。

かつてカメラマンが画家から仕事を奪ったのと同じように、テクノロジーは容赦なくカメラマンから仕事を奪っていきます。

それも物凄いスピードで。

つい15年前まで1000万画素のデジタルカメラは100万円したのに、今は携帯買うとタダで付いてくる。

 

その事に文句を言ったり、素人の写真をバカにしたりする偉い写真の先生も居ますが時代の流れを考えるとおかしな話。

かつてはカメラマンも画家から仕事を奪ったのです。

変わることを選択せず、廃業が相次いでいるのが今の写真館。若者にとって魅力がないから、お客さんは来ないし後継者も居ない。

やり方によったらまだまだチャンスはあるのに、、、。

僕は生き残るために必死です。

お陰さまで10年前は徳島の2拠点だったのに今では大阪も含め5拠点を構えるまでになりました。

(自慢したいわけではなく、衰退業界でも出来るんだと言う事です!)

 

でも、どうして人は変われないのか。

どうして過去の成功体験から抜けられないのか。

新しいものを否定することで自分の存在価値を確かめたい。

古い業界で過去にすがる人をみているとそんな共通点がある気がしています。

これも世の必然なのでしょうか。
ロックミュージシャンのボブディランはこう歌ってます。

周りの水かさが増しているのをごらん

まもなく骨までずぶ濡れになってしまうのがおわかりだろう

あんたの時間が貴重だと思ったら泳ぎはじめた方がいい

さもなくば石のように沈んでしまう

とにかく時代は変わりつつあるんだから

どんなに頑張っても、石のように沈んでしまったものは身の回りにも沢山あります。
例えば、剣術や馬術。

かつては戦場において生き残る術でした。

が、

銃と戦車が使われる現代の戦場では力はありません。もう既に時代は変わってしまっているのです。

剣術は剣道に、馬術は乗馬というスポーツへと変わっていきました。

 

問題は私達が沈まないためにどうすれば良いのか。

答えは言葉にするとカンタンで変化することだと言います。

最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。

唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。

ダーウィン

 

カメラがないと写真は撮れません。

そのテクノロジーのお陰で存在していられるのが写真ならば、テクノロジーという土台が変わったら適応しなければならないのです。

 

みんなと一緒で良い、、、今までのやり方を変えたくない。

そんな事を言っているうちに時代はすごいスピードで動いています。

 

動き出す人と止まっている人の格差は開いていく。

あたりの水かさは増し身動きが取れなくなる。そうして取り返しのつかない事になって初めて気づくのです。

こんなはずじゃなかった・・・・と。

それも歴史が証明しています。

 

現状維持は退化の始まり。

生き残るにはリスクを犯して前に進むしかないのです。

 

ディランはこうも歌っています。

線は引かれ コースは決められ 遅い者が次には早くなる

今が過去になるように 秩序は急速に薄れつつある

今の第一位は あとでビリっけつになる

とにかく時代は変わりつつあるんだから

変わろうとする人にとってこの変革の時代の波は大きなチャンスです。

このまま沈むのか、リスクを取って変わるのか。いつまでも現状に甘んずること無く前に進みたい。

チャンスは目の前にあるのだから。

創業80年の節目の年にそんな事を思ったのでした。

目標達成に必要な覚悟

キャノンさんから取材して頂きました!

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