今でも結婚式のアルバムって見返したりします?
「今でも結婚式のアルバムって見返したりします?」
あるお客さんに聞いてみたんです。
その人は結婚して10年以上経つ方で子供もいて、その時は七五三の撮影に来てくれていたのでした。そうすると・・・・
「もうあんまり見たくないですね(笑)」
時間というのはホントに残酷なんですね。作る側としては本棚のよく見えるところに置いてもらって、何年経っても見返したくなるようなアルバムを作りたいんです。お客さんも最初はすごくよく見返しているのに、子供が生まれて、生活も変わって・・・となると結婚したときの新鮮な気持ちに今更戻れないようなんです。カメラマンとしてはすごく切なかったんですが、同時にに自分が間違えていたことに気付きました。
キレイに撮らなきゃいけないと思っていました。
結婚式というのは家族の始まりの日です。今まで、別々の人生を歩んできた二人がみんなの前で一緒になることを宣言する日です。でも、その日がくるまでは当然いろんな事があったわけで、嬉しいことだけじゃなくて、辛かったこともいっぱいあったハズ。悲しみや決意、寂しさ。いろんな感情が入り交じっています。
何十年後に見てもそのときの気持ちが蘇ってきて色々あったけど、この人と結婚して良かったと思えるような写真。それはきっとウエディングドレスを着た女性をキレイにとらえただけの写真ではなくて、誰かの気持ちが写っている写真だと僕は思うのです。
実は今、デジカメはすごく進歩しています。あなたの友達に頼めば、どういうチャペルだったのか、どういう花で会場が装飾されていたのか、どういう余興を誰がしたのか、起こった出来事を記録することはできます。シャッターを押すだけでケーキカットのシーンも結構きれいに撮れるので自作のアルバムも作れる時代です。
でも、二人の「将来」にとって大切なのはそんな表面上の記録ではなくて、
いろんな人があなたに関わっているということ
想像してみてください。
披露宴もクライマックス。あなたは両親へ向けた手紙を読んでいます。会場の照明は暗くなり、スポットライトがあなたと会場の向かい側にいる両親に当たっています。
泣かないと決めていたあなた。
涙が出そうになるのを我慢しながら声にならない声で手紙を読んでいます。
そんなあなたを心から応援してくれている人がいます。
あなたの親友・・・・彼との出会い、悩みや辛かったことも全部知っているひと。
実の両親・・・・涙をこらえていたのか、泣いている夫の側で意外と冷静だったのか(笑)
そんな両親をそばで見ていた叔父さん・・・・
両親にとっては実の兄弟です。あなたの小さかった頃も知っているでしょうし、あなたを育てるのに両親がどんなに大変な思いをしたのか、、、も知っている人です。
実のお兄さんや姪っ子・・・・
緊張しているじいじを見て姪っ子が楽しんでいます。下の子は何が起こってるかはまだわかりません。そんな家族のドラマを撮ろうとしてる同年代の従姉妹もいたりします。
当日がくるのが待ち遠しくてたまらない人もいれば、複雑な気持ちで迎える人もいます。
酔っぱらってる人もたまにいます(笑)話聞けよ!!!っていつも思います。
二人の将来にとって、関わっている色んな人の気持ちが残っている事が大切なんです。
結婚式は今までの人生の集大成。
「あなたとあなたの大切な人のドラマ」がきっとあります。
僕は、いろんな思いが詰まっている特別な一日を「キレイに撮る事」だけしか考えていませんでした。でもそうじゃないって事に気づいたんです。喜びだけではなくて、寂しさも含めて全部残さないといけないんです。そうじゃないと、それが本当の意味で宝物にはならないんです。
結婚して10年も経ったら、結婚式と同じぐらい新鮮な気持ちのままでいるのって難しいでしょうし、なかなかアルバムを見返す気にもならないかもしれません。
それでも、大げんかしてパートナーの事が信じられなくなりそうになった時、荷物まとめてこの家を出て行こうと部屋の整理をしていたら結婚式の写真がでてきて見返していたら、その時感じたいろんな事が思い出されてやっぱりもう一回信じてみよう、と思った。。。
そんな写真が残っていたしたらそれは絶対宝物だと思うんです。余興の内容とかテーブルの装飾がキレイに写ってる写真より、いろんな人のいろんな思いが写ってる写真の方が元気が出ると思うんです。
知ってほしいのは決して汚く撮ろうとしてるわけじゃなく「キレイ」な写真だけが宝物になる訳ではないよ。。ということです。ただキレイなだけではなく何十年経っても新鮮な気持ちを思い出せる写真を撮りたいと思うんです。
あなたが幸せである事であなたの周りの人も幸せを感じられる。これは事実です。
結婚式の撮影
挙式から披露宴まで撮影 20ページのアルバム+データ 187,500円