時代に取り残されない為に

大阪の本町駅前のカフェでブログを書いております。4代目の後継者だけど新しいものが好きなフォトグラファーの阿部拓歩です。仕事を終えて家に帰ろうとしているサラリーマンが目の前を通り過ぎていきます。エアコン効きすぎてて寒いです。

今日は時代に取り残されない為にというテーマでお届けします。

今の時代、キレイに写ってる写真だけではプロとしてやっていけないんです。

デジカメはカンペキに普及しているし、ちょっとカメラが好きな人だったら、それなりにキレイに撮ることができる。

昔はただ写るだけで価値があった。

「写る」って事はもの凄い価値だった。

カメラ一式で数十万。フィルム代に現像代にプリント代。

ライティングの機材や露出計も必要だった。

1枚の写真を撮るために高価な機材を揃えるだけではなく、薬品の知識やライティングの知識も必要だったんです。

今は?

 

誰でも写せる時代であります。

そして「写ルンです」というカメラが発売された1986年。

誰でも押せば写る時代の幕開けです。

このカメラによって写真は広く大衆に普及した。

 

そして今。

コンパクトデジカメはもう売れません。

スマホの付属品になっちゃったから。

 

しかもこのスマホ付属のカメラが良くできていて、15年前の最高クラスのカメラと同じ画質で撮れるんです。

当時の最高画質のカメラ・・・CanonのEOS1dsという1000万画素のカメラの販売価格は100万円。

 

それが今はスマホの付属品になってしまった(^_^;)

 

作品としての写真ではなく記録として「写っている」写真は誰でも撮れる時代がきています。

時代の変化を見誤って古い価値観にしがみついていると、徐々に取り残されていきます。

この徐々にってのがまた怖い。

はじめは気がつかないんですよね。

 

あたりの水かさが増して足首ぐらいまで浸かっていたとしても、まだ認められない。

 

何故ならまだ動く事が出来るから。

危機に気づきません。

そして多くの人は権威にしがみつきます。デジカメで撮った写真なんてニセモノだ!ってな具合に。

大御所の意見を鵜呑みにする訳です。

 

そうこうしているうちに、水かさはさらに増え、膝まで浸かってきます。

 

何人かは新しい可能性に向かって船を進めていきますが、今まで実績を上げてきた大御所ほど漕ぎ出すのが怖い。

新参者と同じフィールドで勝負しなきゃいけないから。せっかく築き上げてきた自分の実績が使えないから。

そして自分の権威を最大限に浸かって自分を正当化していきます。

 

もう腰まで浸かっているにも関わらず。

 

でも悲劇が起こるとしたら、それは権威ある人に、、、では無い。

悲劇が起こるのは古い価値観にしがみついている若いカメラマンです。時代を読む事が出来ないフォロワーです。

古い先生は今までの蓄えがあるから、なんとか食っていく事は出来る。

時代の流れの中でも溺れずに済みます。

でも、そうじゃ無い人は確実に溺れてしまう。

首まで浸かってしまってようやく気づく訳であります。

ああ!時代はもう既に変わってしまっていたんだ!、、、と。

 

それは写真の世界だけじゃ無い。

歴史が証明しています。

だから常に世の中の流れに敏感である必要があります。

自分の頭で判断する必要があります。

 

もう一度考えてみましょう。

そもそもプロは何故お金を頂けるのか??

それはシンプルに考えると素人が出来ないことを実現できるからであります。

フツーの人が出来る事をやってあげてもお金はもらえません。

フツーの人が出来無い事や社会が必要としている事を提供するからお金が頂ける訳であります。

「ただキレイに写せるだけ」のフォトグラファーは今後仕事がなくなっていく。

いや、もう既に無いのかも知れない。

スマホでもキレイに写せる時代です。

そうした危機感を持って、時代に取り残され無いように仕事をしていきたいものですね。

関係ないけど大阪の夜景。淀川と対岸の街の灯りがキレイであります。大阪の街もこの30年で大きく変わったことでしょう。住んで3年だから知らないけど(笑)

 

 

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