効率的にするという不幸せ。

イギリスのマルチミュージシャン デヴィッド・ボウイ(David Bowie)のアルバムHunky Dory (1971年)に収録されている僕がとても好きな曲、changes。

今日はこの曲を聞きながらブログを書こうかな。

https://youtu.be/pl3vxEudif8

やっぱインターネットってスゲえな・・・。

友人が事務所を移転したとのことで、お祝いの観葉植物をネットで手配したんですね。でも、どんなのが良いかよくわからないので「移転祝い 観葉植物」と検索し、ホームページを見比べる。オシャレな観葉植物というランキング的な特集記事があったので、そこをクリックしたら予算内に収まるジャストな観葉植物を発見。住所やメッセージを入力してクレジットカードで支払い。注文完了までにかかった時間はざっと20分ぐらい・・・。

とても効率的でした。

普通に花屋に買いに行くと、どうでしょうか。

会社から近くの花屋さんまで自転車で10分。お店に入り、どんな花を送るのか選ぶのに15分。店員さんに相談して商品を決める。送り先の住所などを書いたりする購入手続きに15分。花屋から会社に戻ってくるのに10分、といったところでしょうか。

単純に30分節約できている計算になります。

もうインターネットは当たり前だけど、これってホントにスゴい事。今日、日本全国で観葉植物を注文した人が1000人いたとしたら、全体でどれぐらいの時間が節約できているんでしょうか。一人30分節約できたと換算して3000分・・・・つまり1500時間。ネットでの取引は観葉植物だけではないから、ネットで買われたものの時間を全部合わせるともの凄い効率化であります。

とても便利で効率的な社会。

もし僕に30分の空き時間ができたらどうするか。仕事を一休みしてyou tubeで好きなアーティストの音楽を聞いてもいいし、コーヒーを飲んでも良い。読書する事もできる。ケーキでも買いに行ってスタッフと食べてもイイな。スタジオの目の前の靭公園を散歩でもしようか。

何でもいいけど心が豊かになる事に時間を使いたいなって思う。

でも、これだけ効率的になったのに相変わらず世の中は不景気だし、悪いニュースばっかり流れてくるし、税金は高くなる。

この便利な世の中で僕たちはどれぐらい幸せになっているのだろうか?インターネットを活用することで余った時間はどこへいったのだろうか。

 

 

もっと効率的に・・・・。

もっと早く・・・・。

もっと安く・・・・。

 

そうやって生き急いでいるのが今の世の中な気がします。もっと非効率で良いし、遅くて良いし、高くても良い。

今だに分からない、自分が何を待ってたのか

以前はやりたい放題で

行き詰まってばかり

changesの歌詞より和訳して引用

そもそも僕がやっている写真という仕事は思い出を残す仕事だけど、そういった人生の節目とも言えるシーンは効率的ではないし、安くもない。

人生に残る1枚の写真を撮る事を通じて、10年後に見返した時に心が豊かになるような作品を残していきたい。そう思っています。

生まれたばかりの娘。もうすぐ4歳になります。

大切な人の事務所移転という喜ぶべき瞬間。

また、贈り物を選ぶという豊かな時間。

この植物は彼の事務所に置かれた時に浮いたりしないだろうか?喜んでもらえるだろうか?・・・などと事務所移転することになった友人のことを色々考える。

人の喜ぶ顔を想像するという豊かな時間をたったの15分で終わらせてしまったことを今となっては少し後悔したのでした・・・・。

 

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