【メディア掲載実績】2014年4月7日 朝日新聞「家族写真 今そこにある幸せ」

最近、皆様に見やすいようなサイト構成を目指して、ホームページの構成をちょこちょこイジっております。

今日はメディア掲載履歴のページを修正していたのですが、掲載されたのにまだホームページにアップしていない記事が見つかりましたので、今日アップさせて頂きます。かな〜〜り前になるので今更なのですが・・・・

以下は新聞記事からの転載です。

2014年4月7日

寝転がる 泣きじゃくる そっぽを向く…ありのままに

家族写真 今そこにある幸せ

大阪・中之島の堂島川沿いにある商業施設「中之島バンクス」に、ちょっと変わった写真スタジオ「ホワイトアルバム」がある。店主であり、メーンフォトグラファーでもある阿部拓歩さん(34)は、徳島市で77年続く写真館の4代目。家族写真に新しい風を起こそうと、約3年前、大阪へやってきた。

 3月下旬、神戸市に住む税理士山本泰三さん(41)家族が訪れた。ウルトラマンごっこをしたり、アンパンマンの歌を歌ったり。5歳と4歳の姉弟が床に寝そべって遊び始めると、「じゃあ、ソファにみんなで寝転がってサンドイッチしようか」。親子の笑い声がスタジオに響く中、阿部さんはシャッターを切る。

 「『はい、チーズ』とは絶対に言わず、自然な良さを引き出してくれるんです」と山本さん。阿部さんの徳島時代から、毎年撮ってもらっている。「春の家族イベントのようで楽しいし、リビングに飾った写真を見て会話も生まれます」

 両親の前に子どもを座らせ、「足をそろえて、まっすぐカメラを見て、はい笑って」ーありがちな家族写真の撮影風景に、阿部さんは違和感を持っていた。「いかに幸せそうに見えるかを大事にした『作られた幸せ』の写真ばかり」。七五三の撮影に来る子どもは泣きじゃくることもあるし、反抗期の中学生はそっぽを向いて笑わないこともある。「家族のそのときを思い出せるなら、そんな写真もいいじゃないか」

2011年、東日本大震災で写真やアルバムを大事にする被災者の姿を見て、疑問は確信に変わった。「どれだけ思い出話に花が咲くか。それが写真の価値です」。その年の11月、長女の結夢ちゃんが生まれた。「今そこにある、気づきにくい『幸せ』を感じてもらうために撮りたい」。新しいものが受け入れられやすい大阪で活動しようと、知人の紹介で中之島にスタジオを開いた。

ウエディング写真ではプロポーズした場所や初めてのデートの待ち合わせ場所へ撮影に行くこともある。スタジオ撮影では、3歳の子には「いないいないばあ」、7歳の子には「好きな子はいるの?」と話しかけ、自然な表情を引き出す。泣いたり眠ったりした赤ちゃんへカメラを向けることもある。

 従来の家族写真が単調なのは、かつて主流だった箱型の大きな木製カメラのせいもあると阿部さんは言う。動く被写体にピントを合わせることが難しいため、ポーズを固めて動かずに撮影しなければならなかった。「カメラは進化したのに、家族写真は進化しないままでした」

 気軽に入れるスタジオを目指して、不定期で写真展も開いている。「特別な日に写真を撮りに行くところと思わず、普段の家族の『今』も残してほしい」。問合せは同スタジオ(06・6445・5114)。

 

 

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