阿部写真館4代目のフォトグラファー阿部拓歩です。僕が高校生の時、ウチの会社には既に約20人のスタッフの方がいました。でも経営者になりたいとは思わなかった僕。
「ミュージシャンになるからお店は継がない」と宣言し18歳で上京したのでした。それから紆余曲折あって会社を継ぐことになるのですが、今でも僕は自分が経営者だとは思っていません。
それだけに今回の仕事はとても興味深いものがあったのです。
その仕事とは雑誌ビジネスチャンスさんの対談撮影で
対談テーマは「職人の道」であります。
(今日はこの前の記事の続き。)
目次
①職人経営の悩み
②会社を大きくすることが全てではない
③近藤太香巳社長が伝えたかった「本質」
今回は皆さんが読みやすいように目次を作ってみました(^^)
では記事にいってみましょう〜〜
①職人経営をしている久土地社長の悩み
デザインを担当する秋葉社長にたいし、施工を担当するエイケーの久土地社長。沢山の仕事が舞い込み急拡大していた会社にあって社長の急務は職人さんたちの育成にありました。
ネクシィーズの近藤太香巳社長の仕事で見事に信頼を掴んだことで成功への階段を登り始めた久土地社長でしたが経営者としての悩みもありました。対談の最中でこのように仰っておられました。
「今後経営を拡大させていく上での悩みもあります。より多くの案件を受けるためには私以外の社員も能力を磨かなければいけません。デザインや施工技術の腕を上げるためには、一つ一つの仕事を徹底的にこなすこと以外、道はありません。彼らの成長スピードが会社の成長速度と伴わないため経営者としてはやきもきさせられるのです。」
②会社を大きくすることが全てではない
そんな久土地社長の悩みを聞いた近藤社長。このように答えます。
まず言えるのは会社を大きくすることが全てにおいて最良とは限らないということです。例えばスゴ腕の料理人が居る料亭があるとして、顧客はその料理人の腕に惚れ込んでお店を訪れているわけです。それを繁盛しているからといって店舗を増やしたとしても料理人は一人しか居ないわけですから、他の店も同じように繁盛するとは限りません。デザイナーは料理人と一緒で職人の世界ですから会社を大きくすることがベストとは限りません。
③近藤太香巳社長が伝えたかった「本質」
それを聞いた久土地社長はまた次のように質問します。
「では我々のような業態では会社の拡大を望むべきではないのでしょうか」
職人であるけれども、その職人たちの生活を支え会社として発展させていく使命をもっている久土地社長。僕も同じことを思ったんであります。またこのように答えられていました。
いえ、経営者として会社を大きくしたいと考えることは悪いことではありません。しかし職人の世界で生きるのであれば、利益追求主義に陥るべきではないでしょう。二人の場合はクライアントを感動させることが強みとなっているのですから利益を追うばかりで、その本質を見失うようなことはすべきではないのです。一つ一つの仕事を徹底的にこだわってこなしていき、社員も腕を磨いていく。その先には社員がデザイナーとしての力量を発揮する舞台があり、結果として会社が大きくなるものです。
上手く行きだしているときだからこそ、注意しなければなりません。自分が不得意なことや自身がないことには絶対に手を出さない。これが鉄則です。
まとめ
拡大期の職人経営には悩みがつきもの。どんどん増えていく仕事に手を出して拡大を図りたくなるが、もともと職人とは利益追求が本筋ではなく一つの仕事を徹底的にこだわって最高のものをつくることが本筋。安易に飛びつくのではなく地道に力をつけるべき。その結果として自然に会社が拡大する。
いかがだったでしょうか?
僕もフォトグラファーでありながら、会社を経営しスタッフの生活を守る立場にある以上、同じ悩みを持っているような感じをうけました。職人としての本筋を見失わずに仕事を全うしたいですね。